院長ブログ

2024.04.13更新

新年度より新しい機械を2台導入いたしました。

 一つ目は、超広角の眼底カメラ(超広角SLO Daytona)です。今までの眼底カメラでは撮影することが難しかった網膜の80%(約200°)を一度に撮影することができます。(ちなみに、従来のカメラでは、45°程度でした)。しかも、この広角カメラは、瞳孔が小さい状態でも撮影可能です。 

 カメラ1カメラ2

 

 

もう一つは、光干渉断層計(OCT:RS-3000 Advance)です。目の奥の網膜の断層図を撮影し、緑内障や黄斑疾患の発見やその程度を検査します。これまでのOCTの機能に加え、網膜の微細な血管の血流を観察すること(OCTアンギオグラフィー)ができます。これにより、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの血管の病変を早期発見でき、幅広い網膜検査に対応ができます。
 さらに、隅角の検査も可能となりました。隅角は、角膜と虹彩の根元が交わる部分で、眼圧を調節する房水の排出路があり、狭くなっていないか調べることができます。主に、緑内障の検査で用いられることが多いです。

 どちらの機械も、以前よりも短い時間で検査することができ、患者様の負担が少ないことが特徴です。これからも、より良い医療を提供できるように努めてまいりたいと思います。


   OCT1OCT2

 

2024.04.05更新

子どもの近作業時間の増加と2つの対策

現代の子どもは、近く(30㎝以内)を見ている時間はどれくらいなのでしょうか?
 ある近視の小学4年生の子どもの近作業時間を調査したところ、1日4時間以上に及んでいたそうです。
学校で過ごしている時よりも、自宅で過ごしている時の方が、近くを見ている時間が多く、その距離は、20㎝以内に顔を近づけて、1時間以上も見ていることもあったということです。

 近視進行を防ぐために、2つの対策があります。
1つ目は、【1日に2時間以上屋外で過ごす、太陽光を浴びること】です。
太陽光を浴びると、目の奥で「ドーパミン」という物質が出て、目の延び(軸性近視)の進行が抑えられ、さらに、台湾の小学校では、屋外で2時間過ごすように指導したところ、視力0.8未満の児童が減ったという調査結果があります。

2つ目は、【3つの20】です。
アメリカ眼科学会は、20分間継続して近くを見たあとは、20フィート(約6m)以上離れたものを、20秒間を眺めるという【20-20-20】のルールを推奨しています。
 つまり、意識的に長時間にわたる近作業を減らし、近視進行を予防しようということです。

皆さんも、集中して近作業をする場合は、タイマーをセットして時間を意識し、遠くのものを見つめる習慣をつけ、目を労わりましょう。

2024.04.05更新

大人の「眼軸近視」と病気のリスク

大人になったら近視が進まないと思われがちですが、大人になっても目(眼軸)が延びて、進行する可能性があると指摘する医師もいます。
その原因は、度数が強すぎるメガネやコンタクトレンズです。確かに、それらのレンズは、遠くはよく見えますが、ピントが奥に行き過ぎてしまいます。そのため、目自体がピントを合わせようと眼軸を延ばし、結果的に近視が進行しまうのです(眼軸近視)。
そのような状態のままで、近作業の時間が一日の大半を占めている方は、目に大きな負担がかかってしまい、近視が進んでしまいます。対策は、生活にあった適切なメガネやコンタクトレンズを作ることです。

また、近視によって、他の病気のリスクが高まる恐れがあります。
視野が狭まる「緑内障」は3.3倍、水晶体が濁る「白内障」は5.5倍、網膜が剥がれる「網膜剥離」は21.5倍に。

他にも、視力と認知症の関連では、認知症が疑われる人の割合は、
視力が良好なグループでは、5.1%
矯正視力が0.7未満のグループでは、13.3%と2.6倍であったいう調査があります。
視力低下は、脳への刺激が減り、認知機能が低下してしまう恐れがあります。

見えづらさを感じている方は、眼科でその原因を突き止め、適切な対応をとりましょう。

 

2024.04.05更新

近視の増加 目の長さが延びている!?

皆さん、世界で近視の人は、どれくらいいると思いますか?

2020年では、約26億人ですが、2050年には世界の人口の半分に当たる50億人近くまで増えるという試算が示されています。
原因の一つが、近くを見る生活です。スマートフォンやパソコンなどの普及により、生活が便利になりましたが、その一方で、近くを見れば見るほど、目には大きな負担がかかり、その影響が近視の増加・進行という問題が生じています。

近くにピントを合わせる状態が長く続くと、目自体の形を変えて(目を後方に延ばして)、ピントを合わせようとします。一度延びてしまうと二度と元には戻りません。特に、子どもは、成長に伴ってさらに目が延びるので、近視が進行しやすいです。

コロナ明けに、ある小学校で調査したところ、半数の児童が近視と判定され、さらに、6年生の目の長さの平均が、成人の大人の長さ【24㎜】にすでに達し、中には、大幅に超えている児童もいたそうです。それまでは、近視の増加は、ほぼ横ばいで推移していたにも関わらず、コロナ明けには、急激な悪化になりました。
幼いの頃から、スマホなどの近くを見ることが増え、かつてないほどの“超近視”時代に突入しているのです。近くの距離のものを見る時間を減らし、遠くを見て目を休めるなど、できる限りの対策が必要です。

 

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